Q 腰痛(慢性)の原因は鬱病などの精神的疾患が原因でしょうか?

A 違います。
うつ病は腰痛を解決できないことで鬱病になってしまった結果です。鬱病が腰痛の原因である患者さんは極めて少数です。

解説

腰痛の85%は原因不明であると言われています。つまり原因が判明しているのは15%しかないのが現状です。腰痛で困って病院やクリニックに受診しても、特に原因らしい所見を認めることは実は少ないのです。医療者は原因がはっきりしないので、腰痛の原因を患者さんの身体的異常ではなく精神的異常に、その原因を見出そうとしているのです。

腰痛が改善せず経済的にも社会的にも困窮して鬱病になってしまっている患者さんに、腰痛の原因があるではないかと考えてしまうのです。仕事や家庭にストレスを感じて、あまり痛くない、あるいはまったく痛くない腰に「自分の心の痛みを表現している可能性がある」と考えているのです。しかし鬱病が原因で腰痛を訴える患者さんは少数派であり、大多数の患者さんは治療を受けても一向に改善しない腰痛に苦しんで鬱病になってしまうのが現状です。腰痛の中には鬱病治療薬によって症状が改善するものが存在します。この事実も腰痛の原因には鬱病が関与していると漠然と考える一つの根拠になっているかも知れません。

Q 腰痛の90%は仙腸関節が原因であるというのは本当でしょうか?

A 少し違います。
仙腸関節障害が腰痛に90%関与している可能性はあります。

解説

腰痛は

  1. 腰椎神経由来
  2. 脊椎関節由来
  3. その他

の三つの主な原因があると考えています。脊椎関節由来に含まれる仙腸関節痛は常に腰椎神経由来痛やその他の疼痛と合併しているために、高頻度に腰痛の原因になっていると考えられるのです。腰痛の診断は一つではなく正確に表現すれば腰椎椎間板ヘルニア+仙腸関節痛となっていることが多いのが現実です。仙腸関節障害による腰痛が忍者のように付きまとっているのです。腰痛の診断を困難にしている原因は、この忍者の存在を知ることが通常はできないことにあるのです。